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教科書通りではないがうまく運営されている牧場

教科書通りではないがうまく運営されている牧場

少し前の5月に、アメリカへ出張し貴重な経験をしてきました。
2025年3月に新しく飼料添加物に承認されたヒドロキシルメチルブチレートイソプロピルエステル(商品名:メタスマート)の勉強です。

酪農栄養で著名なイリノイ大学のDrackley教授とPhil教授の講義が2日間ありました。そのプログラムの中にバーンミーティングがあり、3400頭搾乳の牧場を視察してきました。

大型酪農場がどんな管理をし、どんな成績なのか興味深いものでした。牧場はSTONE RIDGE FARM  平均乳量16,193 ㎏、乳脂肪4.29%、乳タンパク3.32%です(上写真)。牛群をモニターすると、高乳量であるのも関わらず、蹄がしっかりしてフンもゆるくなく、毛ヅヤもピカピカな状態でした。

感心したことは
・ フラッシュバーンによる除糞、牛舎内外を常に清潔にする管理
・ 砂ベットはふかふか、汚れた砂は可能な限りリサイクル
・ エサのPSPS(パーティクルセパレーター)で診断した理想的な切断長
・ 各ステージ毎にワクチンプログラムも接種し事前に発症しない管理
・ うらやましいほどの広大な自社圃場で生産した良質な自給飼料
・ 分娩直後の仔牛は初乳を飲ませたら育成牧場に全頭移動した一括管理

疑問に思ったことは
・乾乳から泌乳群のどの群も非常に濃いTMR(高NFC、低NDF)を給与
・ 乾乳前期のエサが泌乳期と同じ濃度レベルのTMRを給与
・ 牛群構成は初産1392頭、2産1086頭、3産714頭、4産393頭、5産161頭、6産13頭(写真)。

産次毎で約300頭が除籍されており、泌乳能力が高くない牛、決められた日数で妊娠しない牛は除籍している印象でした。


飼料濃度は教科書通りではないのですが、うまく運営されている牧場を視察させていただきました。